インプット・アウトプット


 私たちのまわり、そして自分自身に
 毎日毎日、たくさんの事が起こっていますね。
 そして、私たちの思考は休むことなく働いています。
 身の回りで何かが起きると、その出来事に対して反応しています。

 例えば、

 ショッピングセンターで買い物をしていたら音楽が流れていた。
 その音楽が耳に入ってきた時、
 以前旅行に行った楽しい記憶が蘇ってウキウキしてきた。

 さて、買い物には友達も一緒でした。
 ところが、一緒に買い物をしていた友達は、聞こえていたのは同じ曲なのに
 彼と別れ話をしたときのことを思い出して悲しい気分になってしまった。


 全く同じ場所で、同じ時に、ただ曲が流れていただけなのに
 ふたりは、どうして全く違う感情になったのでしょう?

 買い物中に流れていた音楽
 私たちはそれを、耳から聞いて、自分の中にインプットします。
 すると、インプットされてきた出来事を情報処理プログラムが処理し
 自分の反応としてアウトプットされます。

 私たちひとりひとりの情報処理プログラムが違うので
 「ウキウキした」気分 だったり
 「悲しい」気分 として、アウトプットされたのです。



プログラムの形成


 先ほどの音楽では、情報処理プログラムは
 その音楽を以前聞いたときの経験とそれに伴う感覚の
 「ウキウキ」や「悲しい」気分としてアウトプットするよう働きました。

 雨が降ると … 静かに落ち着いた気分 うっとうしくて嫌な気分
 とある匂いが … 空腹を感じる 気持ち悪くなる 古い記憶が蘇る
 ある人に会うと … 楽しくなる、和む、緊張する、悲しくなる、腹が立つ
 コーヒーを飲むと … タバコを吸いたくなる
 テレビを見ていると … お菓子を食べたくなる
 ある場所に行くと … 緊張する

 これらも、それぞれの経験によって情報処理プログラムは異なり
 アウトプットされる反応は、ひとりひとり違います。


 さて、この情報処理プログラムは、どうやって作られるのでしょうか?

 例えば
 毎日、食事の後にデザートを食べていたとします。
 お気に入りの、とても美味しいデザート。
 食事も楽しいけど、その後のデザートがいちばん至福の時間。

 ところが、ある日、買い忘れてしまって
 食後にデザートを食べられなかった。

 こんな時は、食事が終わった気がしない、何だか物足りない。
 お腹いっぱい食べたのに、物足りない。
 そう思いますよね。


 私たちはある情報(出来事)に対して (=食後のデザート)
 特定の反応を肉体的や感情的に繰り返すと (=食べる・満足)
 そのイメージと感覚は繋がって強化され自分自身に定着します。
          (=デザートを食べれば満足感のある食事)

 食事の後にデザートを食べる事が繰り返されることによって、
 食事とデザートはセットで、デザートを食べる=満足感のある食事
 というような、情報処理プログラムが作られたのです。


 また、経験した出来事に、強い感情がともなったときは
 繰り返し経験しなくとも、たった一度の経験でも、プログラムは作られます。
 この場合、たった一度の情報処理だったとしても、
 そのプログラムは強力なものとなり、定着してします。
 感情は、情報処理プログラムを強化するのです。



プログラムと潜在意識


 ○ 潜在意識は現実と想像を区別できません。

 例えば、恐い映画を見ているととしましょう。
 背中がぞっとして鳥肌が立ったり、身体が緊張して肩に力が入ったりたり、
 心臓の鼓動が大きく早くなってドキドキしたり、
 作り物だとわかっているのに、身体は反応しますよね。

 実は潜在意識は
 現実に自分の身に起きたことと、そうでないことを区別できないのです。
 実在しないと顕在意識ではわかっていても、
 潜在意識にとっては現実となってしまうのです。


 ○ 潜在意識は否定形を理解できません。

 「ここには10頭の犬がいますが、その中のピンクの犬のことは考えないで下さい」
 今、頭の中には、おそらくピンクの犬が浮かんだでしょう。
 あぁ、あそこにいるピンクの犬以外を考えるんだなとピンクの犬を思い浮かべる。
 考えないといわれたけど、思い浮かべているのです。
 潜在意識は否定形を理解できないのです。
 ピンクの犬のことを考えないでと言われても、ピンクの犬を浮かべてしまうのです。

 「あがらないように」「失敗しないように」と思うほど
 余計に緊張して失敗してしまった経験はありませんか?
 「あがらないように」という言葉を浮かべるときには
 まず、あがって失敗した自分をイメージし、そうならないようにと
 「失敗しないように」と思うときには
 以前、失敗したときの自分の状態を思い出してしまうのです。
 そして、身体は以前のことを思い出して
 ドキドキして、身体が硬くなって、勝手に反応してしまうのです。


 ○ 顕在意識が考えたことは、すべて潜在意識に入っていきます。

 私たちは出来事に対して、
 その出来事をとらえ、出来事に対して何かしらの感情を抱き
 良くも悪くも思考して、言葉や態度として表現します。

 例えば、出来事に対するマイナスの言葉、悪態をついたとき、
 言葉や態度で表す前に、まず自分自身の思考でそれを作り上げています。
 その出来事に対するさまざまな感情とともに、それは潜在意識に入っていきます。


 また、 決まり文句のように
 「金持ちでなければそんな事はできない」
 「能力があってもコネがなくちゃだめだ」
 「いくら頑張ってもどうせ無駄なんだ」 などと、

 自分自身は経験したことではないけれど、
 他人が経験して自分に話してくれたことを「そうなんだ…」と考えたり
 「あの人がこう言っていた」と話したりすると
 潜在意識は、現実に起こったことも他人の経験の想像イメージも区別がつかず、
 潜在意識の中では実在する自分となって記憶されるのです。

 「あの人は頑張ってもダメだった、頑張っても無駄だった」のではなく
 「自分は頑張っても、ダメなんだ、頑張っても無駄なんだ」というように。


 情報処理プログラムは、実体験によってのみ作られるのではなく
 想像したことからも
 間違って認識したことからも
 自分の体験として認知し、作られます。

 こうなりたくない、こうならないようにという
 自分の苦手なことを打ち消そうとする感情からも、
 なりたくない自分のプログラムとして作られます。

 そして、外からの情報に対して自分が考えたことも
 他人から聞いた経験を聞いたままに話したことも
 自分の体験プログラムとして潜在意識に形成されてしまうのです。

 そして潜在意識に記憶されたことは、
 無意識のうちにあらわれて(表面化して)きます。

 思考は私たちの考え方、感じ方、ふるまい方に絶大な影響をもち、
 人生の質を決定づけているのです。



プログラムを変えれば人生が変わる


 こうして私たちの潜在意識の中には
 実に多くの多くの情報処理プログラムが存在しています。

 しかし、このプログラムは、
 時として自分のブレーキとなってしまうことがあるのです。

 先ほどの音楽を思い出してみましょう。
 物理的にはただ曲が流れていただけ、ショッピングセンターに音楽が流れていた
 ただ、ショッピングセンターに音楽が流されていた状況なだけです。
 しかし、2人の感情は全く違うものでした。

 インプットされた情報が同じでも、
 処理プログラムによってアウトプットされたものは全く違いましたね。

 ということは、このプログラムを入れ替えることができれば
 同じ人間でも、アウトプットするものは変わってきます。

 そのプログラムがブレーキプログラムとなっているのであれば
 前進プログラムに入れ替えれば…

 喜びや楽しさがともなう、望む結果のプログラムに入れ替えることで、
 強力なポジティブプログラムとなって
 結果を変え、人生を変えることが可能となるのです。



誰もが普段の生活で暗示にかけられている


 「暗示」という言葉をきいて、
 どんなイメージが浮かびますか? どんな感じがしましたか?

 あやつられるのでは?
 魔法をかけられる? そんな感じがした人もあるかもしれませんが
 実は、私たちは毎日多くの暗示の中で生活しているのです。


 例えば、マスコミ
 私たちはテレビから送られてくる情報を、信じてしまいますよね。
 コマーシャルをイメージして、その商品を買ったこと、ありますよね。
 通販番組を見て、気が付いたら申し込んでいたこと、あると思います。

 テレビからの情報は、興味を引く画像と耳触りのいい声で
 「この製品」があなたの人生を素晴らしいものに変える!
 と言い聞かされているのと同じです。

 お気に入りの番組の合間に、同じコマーシャルが何度も流れたり
 通販番組では、その商品を使って変化した情報が何度も何度も繰り返されます。
 コマーシャルや通販番組は視聴者の思考や行動に
 習慣的なパターンを植え付ける暗示のパワーがあるのです。



暗示の受け入れ



 では、ちょっとレモンを思い浮かべてください。
 つややかな黄色の新鮮なレモン
 それを手にとって、フルーツナイフで半分に切って…
 ギュッと握って、滴ってきたレモン果汁
 それを指に受けて口に持って行って下さい。

 と、ここまでくると、口がキュッとして唾が出てきませんか?
 レモンは実際ここにありません、想像の中にあるのに、どうしてでしょう?

 今、レモンをイメージしましたね。
 それは意識が「レモンをイメージする」という暗示を受け入れたのです。

 肉体は潜在意識に入り込んだ暗示に従って行動し、唾がでてきたのです。
 肉体はロボットのように、暗示に対して条件反射をおこしてしまうのです。
 自分が過去に経験たレモン、その味に対するプログラムを実行したのです。

 私たちはこのように、
 無意識のうちに、いとも簡単に暗示を受け入れ、
 また、無意識のうちに情報処理プログラムが稼働し
 結果として処理結果をアウトプットしているのです。

 そして私たちは、このレモンのように
 イメージと現実を区別しないで素直に受け入れて反応してしまうのです。



暗示の法則


 暗示には法則があります。


 ○ 繰り返し・集中・習慣化の法則

 食品のコマーシャルを見た後で、何か食べたくなったことはありませんか?
 あ、今日の食事はこれにしよう!と作ったり食べに行ったことありませんか?

 楽しく幸せそうなクリスマスのパーティ、自分のパーティをイメージし
 パーティセットやケーキを買いませんか??

 買い物に行ったときや、お腹が空いたとき
 コマーシャルソングやキャッチフレーズがふと口をついて出たことは?

 コマーシャル、お腹が空いてくる時間に、美味しそうなコマーシャル
 しかも、番組の合間に何度も何度も同じコマーシャル
 他のチャンネルにしても同じコマーシャルだったり…
 集中して何度も繰り返されることで暗示となって定着するのです。


 楽器の演奏
 初めは、どこをどうすると何の音がするのか?
 ひとつひとつ確認して弾きますね。
 でも、繰り返し練習していくと、音符に対する動作が定着し
 考えなくても身体が動いて楽譜どおりの音を出す動作ができるようになります。

 車の運転
 まず、シートベルトをして、エンジンをかけて、次に…
 初めは次に何をするのか考えながら動かしますね。
 ハンドルをどのくらい回すと、どの程度曲がるのか?
 左折のウインカーはこのタイミングで出すとか
 ブレーキの踏み具合はこのくらいで、上手に止まれるとか。
 でも、練習するうちに何も考えなくても無意識に運転できるようになります。

 楽器の演奏、車の運転など、考えなくても自然と身体が動くようになる、
 同じ事を繰り返すことで、それは習慣となって定着するのです。

 これは、思考についても同じで
 間違った認識や、思い込み、そうなりたくない感情とともにイメージしたこと
 繰り返し頭で考えたことや感じたことは、暗示となって定着し
 処理プログラムで決まったパターンの結果が顕現化します。
 つまり、習慣になってしまうのです。

 間違った認識や、思い込みは、他の誰かに暗示をかけられたのではなく
 自分自身に暗示をかけている、自己暗示にかけていることになります。


 ○ 反作用の法則

 必死になってやったのに、逆にうまくいかなかった経験はありますか?

 「これは苦手だ」「これはできない」「以前、何度も失敗した」
 だから、「今度こそ必死にやろう!」としたときのことです。

 じつは悪い習慣を変えようと緊張するほど、その習慣は強化されてしまうのです。
 プログラムと潜在意識の「潜在意識は否定形を理解できない」でも書きましたが

 「うまくできなかった、だから今度こそ!」 の時は
 失敗したイメージがまず先に浮かび
 次に「そのイメージにならないように、こうしよう」と対応策を浮かべます。
 潜在意識では
 先に浮かんだ失敗のイメージに対するプログラムが稼働してしまうのです。


 ○ 優勢の法則

 暗示に強い感情がともなうと、その暗示は強力なものとなります。

 お気に入りの散歩コース
 ここを歩いているといつも穏やかになり、いい気分。
 家にいても、その場所を歩いていることを思い出すだけで、心地よさが蘇ります。
 安全で心地よい、お気に入りの場所を今日も歩いていました。
 しかし突然、何者かに襲われて、殴られ、大怪我をしてしまいました。
 すると、その散歩コースは一瞬にして
 穏やかで心地いい感覚から、危険で恐怖の感覚と変わってしまい
 コースを思い浮かべると、襲われたことを思い出し
 散歩コース=危険な場所=もう行きたくない となり
 二度とそのコースを散歩しなくなるでしょう。


 バスケット部の少年がシュートの練習をしています。
 でも、圧倒的に外す回数の方が多かったのですが
 その後、この少年はプロのバスケット選手として活躍するようになりました。

 単に同じ事の繰り返しが定着するのなら、プロになれず、外す達人になるはず
 しかし繰り返し練習を重ねていった結果、成功する回数が多くなったのです。
 どうしてでしょう?

 それは、「ボールを入れたい」という強い感情(意気込み・熱意)
 強い感情を抱いて、ゴールのイメージとともに練習していたのです。
 そしてシュートを成功させた時の達成感や喜びの感情と結びつくと
 その時の動きがプログラムとなって、失敗したときの動きを忘れるのです。
 成功時のプログラムが暗示となって潜在意識に落とし込まれるのです。


 このように強い感情と結びついた暗示は、過去の暗示を帳消しにして
 新たな暗示となって定着します



暗示療法ヒプノセラピーとは


 暗示療法とは、これら潜在意識の特徴を活用したテクニックです。

 自分の手にしたい目標や結果をリアルにイメージして
 潜在意識のプログラムに定着させます。

 自分が手放したいプログラムを
 自分が望む結果としてアウトプットする、プログラムに置き換えます。

 そのプログラムは暗示となって
 無意識のうちに自分の行動としてアウトプットし
 目標の達成、望んだ結果へと、人生を導いて行きます。


 スポーツ選手が取り入れているイメージトレーニングも
 このセラピーと同様のものです。
 自分が失敗をしないように対策するイメージではなく
 自分が完璧にプレーをしている様子を何度もイメージすることで
 身体が自然と動くようになるのです。


 スポーツだけでなく
 ビジネスにおいてもイメージトレーニングのテクニックは使えます。


 成功させるためには、失敗しないようにと考えるのではなく
 成功のイメージのみを持つことが大切


 同じ状況、同じ環境、同じ情報でも
 プログラムを変えればアウトプットが変わる。
 人生も変わっていくのです。



自己実現 暗示療法ヒプノセラピー 180分 18,000円



 あなたが描いている、望む未来像
 それを阻む問題やテーマについてゆっくりお話しをうかがいます

 その問題やテーマを手放した状態での未来像を
 リラックスした催眠状態で
 潜在意識に言葉とイメージにしてインプットしていきます。


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