潜在意識のプログラミング


 何度も繰り返して言ったり、聞いたり、考えたことは
 いつの間にか、私たちの潜在意識の奥深くに入っていき
 そして、その言葉や考えに私たちはプログラミングされてしまいます。


 19世紀後半
 どうしても「とある名前の薬」を売ってほしいと言うお客さんが来ました。
 ところが指定された薬は、すでに期限が切れて効力も切れていたので
 薬剤師は「売ることはできない」と断ったのですが
 どうしてもその薬がほしいと言って帰らないので効力の切れた薬を手渡しました。

 すると数日後、
 「あの薬のおかげで、病気が治った」と
 お礼を言いに、そのお客さんがやってきました。

 薬剤師はとても不思議でした
 「どうしてこのようなことが起こるのか?」と。

 そして、薬剤師は
 「もしかしたら、大切なのは薬の効力ではなく
 『必ず治る』という、思い込みなのではないか」と気づきました。

 このお客さんは、
 「この薬を飲めば必ず治る」という、自己暗示を
 自ら、気がつかないところで、無意識に、かけていたのでしょう。

 そうだった(1回だけ)という実体験した経験も
 へぇ~、そうなんだ… と思った事も
 そうなのかな? と思った事も
 そうじゃないんだけど… と誰かに言われて感じたことも
 違うんだ、そんなことイヤだと思った事も

 何度も思い返したり、聞かされ続けたりするうちに
 やがて、いつの間にか、そうに違いないという確信へと変わり、
 ふと気づくと、自らもその通りになっていくのです。
 いいことも、悪いことも、すべて。

 このように私たちは
 自分自身が気が付かないうちに、自ら、自己暗示にかかっています。
 普段使っている言葉は、潜在意識への暗示文となっているのです。
 そして私たちは、自分がイメージしたとおりになっていくのです。
 たとえそれが、自分が望まない姿だったとしても…


 気が付かないうちにかけてしまった「自己暗示」も
 気が付かないうちにかけられてしまった「暗示」も手放しましょう。


 ※この薬剤師は
 「自己暗示療法」という治療法を始めたエミール・クーエです。

 Everyday in every aspect, I'm getting better and better.
   毎日あらゆる面において、私はどんどん良くなっている
 これは、クーエの代表的な暗示文です。


 あらゆる面でどんどん良くなっていく?
 そうはなかなか思えない…と感じられるかもしれません
 
 どうして、そう思うことができないのか?その答えはあなたの中にあります。
 ヒプノセラピーで見つけ出して手放し、いつの間にかかけられた暗示から、
 自分を解放してあげましょう。 あなたらしい未来の世界が待っていますよ。



顕在意識と潜在意識


私たちは顕在意識(意識)と潜在意識(無意識)を持っています。

「顕在意識」 10% 左脳的部分
 倫理的思考・理性・知性・意志決定力

「潜在意識」 80% 右脳的部分
 感情・感覚・直感・記憶・想像力
 本能や欲望を満たそうとする自分、それらを抑えようとする自分
 胎児期の記憶
 また、潜在意識には
 ポジティブなこともネガティブなこともすべて認識し、
 それにたいする感情や感覚が埋め込まれています。
 たとえそれが、思い込みであっても記憶されています。

そしてあとの10%は「集合的無意識」
 共時性・シンクロニシティ
 ここには中間生の記憶や過去生の記憶が存在すると言われています。



顕在意識と潜在意識の関係


恐い映画を見たときのことを思い出してみて下さい。
身体が緊張したり、震えてきたり、寒気がしてきたり…

恐くない、これは映画で作り話だとわかっているのに
作り物のイメージを見ているだけなのに
でも、どんどん恐怖の感覚に陥っていきますよね。
頭(顕在意識)では、架空の世界だとわかっているのに。

実はこれは、潜在意識が恐怖のイメージに直接反応しているのです。

顕在意識は作り物の映画のイメージを振り払おうとしているのですが
潜在意識は入ってきた映画の情報を、分け隔て無く受け入れてしまうからなのです。
潜在意識は、顕在意識が受け取った情報は、現実のことでも、空想でも
お構いなしに受け入れるので身体が反応を起こしているのです。
しかし顕在意識は、この状態に気づいていないのです。


では、つぎにレモンを思い浮かべて下さい。
レモンを切って、そのスライスを1枚手にとって、口に近づけて囓ってみて下さい。
今、どんな感じがしていますか? 唾が出てきませんか?


今度は、今までにとても恐かった事や不安だったことを思い出してみて下さい。
いつ、どんな場所で、何をしていて…
そこに誰かいた? どんな空気だった? 何か聞こえた?
どんな気持ちだった? どんな感情を抱いていた??

ひとつひとつ思い出し、その状況をリアルにありありと思い出してみて下さい。

今、身体はどんなふうになっていますか?
肩は? 胸は? 呼吸は? どんな感覚になっていますか?

肩に力が入ったり、身体がこわばったり、胸が苦しくなったり
心臓がドキドキしたり、背筋がぞっとしたり…

イメージしただけなのに、思い出しただけなのに
こんなにも簡単に、身体は反応を起こしてしまうのです。
現実に今、その事が起こっていないにもかかわらず。

このように、私たちの肉体は思考に反応しています。
頭で何か考えると、いとも簡単に身体は反応してしまうのです。

私たちは毎日毎日、休むことなく、さまざまなことをイメージしていますよね。
色々なことを考え、たくさんのことを感じていますよね。
これらも全て、映画のことやレモンのことのように自分の心身に影響を及ぼしています。
それがたとえ、真実でなくとも、望むイメージでなかったとしても
潜在意識は全て認識して、心身に影響を与えるのです。


これを「顕在意識」と「潜在意識」の関係としてまとめると

自分(顕在意識)が考えたことイメージしたことは、全て自分の心身に反映されます。

潜在意識の中にある、嫌なこと、辛いことは打ち消そうとすればするほど強化されます。

たとえそれが、空想であろうが現実であろうが
顕在意識が送り込んできた全てを区別しないで潜在意識は受け入れます。

例えば、写真を見たことで抱いた感覚・感情
これが自分自身に直接起きたことでなかったとしても
また、その写真が真実をとらえた写真ではなかったとしても
潜在意識は、実際に自分自身に起こったこと、体験したこととして記憶します。
そしてその感覚や感情は、自分の心身に反映されます。


見たこと、聞いたこと、感じたこと
それが実際に起こったことなのか、空想なのか潜在意識が区別できないこと
脳に記憶された情報は、書き換えられることも
最近の脳科学でも証明されています。

そして、自分が過去に体験した事を追体験する中で
過去に記憶した情報を、正しい、新しい情報に書き換えることが可能であることも
脳科学で証明されています。


顕在意識は潜在意識との繋がりを認識できません。
潜在意識は刺激に対して肉体的反応を起こしますが、
顕在意識はその反応を主動的な反応と認識できず、自動感を覚えます。
心因性の問題を解く鍵は、顕在意識と潜在意識の関わりのなかにあるともいえます。




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